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資産運用ニュース |
2025.12.4 |
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小川竜一 R-TRUST investors Inc. |
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◆ 12/3発売の第2弾、第6章をピックアップ
12月3日に、拙著の第2弾『今すぐ金貨を買いなさい!彼女たちがGOLDを選んだ理由』が発売になりました。今日はその中から「第6章:金(GOLD)が世界を支える新たな経済秩序 / カオリ編」をピックアップして抜粋解説しました。

最近のニュースで「各国の中央銀行が金(GOLD)を積極的に買っている」という話題を目にした方も多いでしょう。事実、2022年には世界の中央銀行が合計1,136トンもの金を購入し、これは1967年以来55年ぶりの記録的な水準でした。この「中央銀行のゴールド爆買い」はその後も勢いが衰えず、2023年には1,037トンと過去最高だった前年に次ぐ大量の金を買い増しています。各国の中央銀行がこれほどまでに金を買い集めている理由は何なのでしょうか?
一つは、安全資産としての金の魅力です。経済が不安定になると、多くの市場参加者は「不安定な通貨や株式から金に逃避し始める」傾向があります。金は古来より人類が価値を認めてきた資産であり、その埋蔵量には限りがあって紙幣のように無限に刷ることができないため、価値が大きく損なわれにくいのです。中央銀行自身もリスク分散のため伝統的に金を保有してきました。特に近年では、各国中央銀行の旺盛な金購入が世界の金需給構造を変えるほどのインパクトを与えています。2022年から2024年にかけて中央銀行の公的需要は毎年1,000トン超に達し、これは世界の年間金供給量に匹敵する規模で、市場価格にも直接影響を及ぼすほどです。
もう一つの背景には、ドル(米ドル)への信頼低下があります。ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)などの分析によれば、中央銀行の金購入が加速している要因として「米国による制裁乱用などで各国がドル依存のリスクを意識し始めた」点が挙げられます。実際、ロシアによるウクライナ侵攻後にアメリカが行った大規模な金融制裁や、米国の巨額な財政赤字・過度なドル供給などを受けて、各国は「ドル一強体制からの脱却」を模索し始めているのです。中央銀行による金の積極買いも、「基軸通貨ドルへの信頼が揺らぎ始めている兆しの表れではないか」と見る向きもあります。つまり、将来もしドルの価値や役割が大きく揺らいだとしても、自国の準備資産として金を備えておけば安心だ、という狙いがあるのでしょう。
第二次世界大戦後、一貫して世界経済の中心に君臨してきた米ドル。しかしその“ドル基軸”の時代に黄昏が近づいているとも言われます。前述の各国の動きに加え、BRICS(新興5か国+拡大参加国)などがドル以外の通貨で貿易決済を拡大するなど、「ドル一極体制から多極通貨体制へ」の流れが少しずつ進んでいるのです。たとえば2025年現在、BRICS諸国間の貿易では取引の約半分が既にドル以外の通貨で決済されているとの報告もあります。さらに、BRICS各国は独自の国際決済システムの構築や、将来的な共通通貨の検討(その裏付けとして金や資源を活用する構想)にも言及し始めています。こうした動きは、新たな世界の通貨秩序が模索され始めていることを示すものと言えるでしょう。
もっとも、だからといって「明日にもドルの時代が終わる」というわけではありません。現時点でも米ドルは世界各国の外貨準備の約58~60%を占めており、依然として最も信頼性と流動性が高い基軸通貨であることに変わりはないのです。短期的に見れば、どんな新通貨が議論されようともドルをすぐに代替できる可能性は極めて低いでしょう。しかし、実際の変化は緩やかに、しかし着実に進んでいます。各国が自国通貨建てでの貿易を増やしたり、SWIFTに代わる地域決済網を模索したり、外貨準備を少しずつ多様化(ドル以外の通貨や金の割合を増加)させ始めたりといった「脱ドル化」の潮流が徐々に現実のものとなりつつあります。言わば、世界経済の地盤がゆっくりと再編され、新しい多極的な経済秩序への胎動が始まっているのです。
その新たな秩序において、多くの専門家がキーカテゴリーとして注目しているのが「金(GOLD)」です。金は特定の国家の信用に依存しない普遍的な価値を持つ資産であり、インフレや金融危機に対する「最後の拠り所」として機能し得るからです。現に、国際通貨体制の将来像として「ドル・ユーロ・人民元・そして金」が共存する多極通貨体制が理論的に語られることもあります。これは極端な空想ではなく、前述のように各国の中央銀行が金の保有量を拡大し続けている現実からも十分にうかがえるトレンドです。もしかすると数十年後、「金本位制の復活」とまではいかなくとも、金が裏付けの一部となったデジタル通貨や通貨バスケットが登場している可能性すらあるでしょう。いずれにせよ、私たちが今目にしている中央銀行の金購入の動きは、「ドル一極体制の終焉」とその先に待つ新たな通貨秩序の兆しであると言えます。
こうした世界経済の大きな転換点を、まさに肌で感じ取った人物が本書第6章の主人公、経済ジャーナリストのカオリです。経済専門紙の第一線で活躍するカオリは、東京・日本橋のオフィスで日々経済ニュースを追いかけています。そんなある日「世界の中央銀行がこぞって金を買い増している」というニュースに直面します。ロンドンの友人であるジャーナリストのジェシカから国際電話が入り、「世界の中央銀行が金を買っている件について取材内容を教えてほしい」と頼まれるシーンは、本書の物語で描かれるフィクションでありながら現実そのもののような迫力があります。読者である私たちも、カオリと一緒に「なぜそんなことが起きているの?」と驚きつつ、その理由を探っていくことになるでしょう。
カオリの上司である佐伯さんは早くから世界の動きを察知し、金の重要性を説いていた人物でした。しかし当初カオリは彼のことを内心「脱ドル信者」扱いして半信半疑だったのです。ところが、世界の風向きが明らかに変わり、目の前で次々と飛び込んでくる経済ニュースや取材を通じて事態の深刻さを知るにつれ、彼女の見方は少しずつ大きく揺さぶられていきます。タクシーの車中で佐伯さんから「かつて君は私を『脱ドル信者』なんて呼んだが…」と冗談めかして声をかけられると、カオリはハッとして当時の自分を恥じるように苦笑しました。「正直、私も驚いています。佐伯さんの予見がこれほど早く現実味を帯びるなんて。ドルが揺らぐ日が本当に来るなんて想像できませんでした」──そう認める彼女の姿に、読者である私たちもハッとさせられるでしょう。
カオリが痛感したのは、今まさに「ドル一極時代の終焉」が現実味を帯びて迫っていること、そしてその先の新たな世界経済の秩序を支えるものとして金が台頭してきているという事実でした。彼女は取材を通じて得た知見をまとめ、「これからの世界で金(GOLD)が果たす役割」についての記事を書き上げます。それは同時に、自身の不安や葛藤と向き合う作業でもありました。ジェシカとの通話の中で「正直、不安がないと言えば嘘になるわ。世界の仕組みが変わるときはいつだって痛みを伴うものだから…」と胸の内を明かすシーンでは、常に冷静沈着だったカオリが初めて見せる人間らしい動揺に、思わず共感してしまいます。しかし彼女は続けてこうも語ります。「…でも、だからこそ私たちはしっかり事実を伝えることで、人々が備える助けになればと思っているの」その言葉には、迫り来る変化を目前にしても未来に立ち向かおうとする決意と優しさがにじんでいました。
カオリ編のストーリーは決して遠い世界の絵空事ではなく、今を生きる私たち一人ひとりにも通じるメッセージを含んでいます。劇的な経済の変化や通貨秩序の転換などと聞くと、「スケールが大きすぎて自分には関係ない」と感じるかもしれません。けれど、世界経済という大海原の波は巡り巡って私たちの暮らしにも影響を与えます。たとえばドルの価値が大きく揺れ動けば、輸入品の価格や資産運用の成績、果ては日々の物価にまで波及するでしょう。デジタル通貨や電子マネーが普及する時代だからこそ、逆にサイバー攻撃やシステム障害といったリスクも無視できません。そして地政学リスクが高まれば、極端な話「預金を凍結され引き出せない」なんて事態だって絶対に起きないとは言い切れないのです。「まさかそんな…」と思うような出来事が現実に起こり得るのが、私たちが生きる現代の難しさでもあります。
だからこそ、大切なのは「もしもの備えを自分ごととして考える」ことです。カオリが感じた不安は他人事ではなく、私たち自身の不安でもあります。しかし彼女はその不安に蓋をせず真正面から向き合い、具体的な行動につなげました。それが象徴的に表れているのが、本書全体を通じて描かれる「彼女たち」の選択です。経歴も性格も異なる登場人物たちが辿り着いた共通の答え──それは「金(GOLD)を持つこと」でした。
ある者は詐欺的な金融商品から身を守るため、またある者は急激なインフレや通貨価値の下落に備えるため、そしてデジタル時代ならではの見えないリスクに対する安心材料として…それぞれ動機は違えど、金という資産は彼女たち一人ひとりにとって「盾」であり「剣」となったのです。このメッセージは、そのまま私たち読者へのメッセージでもあります。将来どんな荒波が来ても、自分と大切な人の生活を守るための“盾と剣”をいまから用意しておこう──金投資はその有力な選択肢の一つなのだと、本書は優しく語りかけてくれているのです。
「でも、金投資なんて難しそう…」と思う方もいるかもしれません。確かに、金(GOLD)というと金塊や先物取引のような専門的でハードルが高いイメージを持つ人も多いでしょう。しかし本書『今すぐ金貨を買いなさい!彼女たちがGOLDを選んだ理由』は、そんな初心者の不安をそっと取り除いてくれる内容になっています。カオリをはじめ12人の女性たちの物語を追体験しながら、自然と金の持つ意味や具体的な活用法が理解できる構成になっているのです。たとえば純金積立や金貨の購入といった、初心者でも始めやすい金投資の方法についても物語の中で優しく触れられており、「私にもできるかも」という前向きな気持ちが湧いてくるはずです。
そして何より、本書を読み終えたとき、きっとあなたは「自分の手で未来の安心を掴み取りたい」という衝動に駆られていることでしょう。カオリたちが勇気を持って一歩を踏み出したように、読者である私たちもまた小さな一歩を踏み出す勇気をもらえるのです。たとえそれが小さな金貨1枚を手に入れることからでも構いません。大切なのは行動すること。本書はその最初の一歩を後押ししてくれる心強い指南役となってくれるはずです。
いま世界で何が起きていて、これから何が起ころうとしているのか──カオリ編のドラマチックなストーリーから、それを自分ごととして捉えるヒントと勇気をぜひ受け取ってください。読み終えた後、あなたもきっと「まずは金貨を買ってみようかな?」という気持ちになっていることでしょう。未来の経済秩序がどう姿を変えようとも、GOLDという確かな資産があれば怖くない。そんな前向きなマインドセットを、この一冊から手に取ってみませんか?
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