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NISAが生んだ“見せかけの成功者”たち…その資産、円安で溶けますよ?

小川竜一 R-TRUST investors Inc.

資産運用ニュース

2025.04.18

小川竜一 R-TRUST investors Inc.

◢ NISAの見えない落とし穴に気づいていますか?

「NISAで資産運用を始めました!」
「S&P500に全額投資!これで10年後は安泰!」

こんな声をSNSや投資コミュニティでよく目にします。確かに、NISAは税制優遇があり、長期投資をするには素晴らしい制度です。しかし、ここで一つ考えてみてください。

税制優遇を受けた資産が、10年後に価値を保てる自信はありますか?

NISAの非課税メリットばかりに目を奪われて、資産の「本質的な価値」を考えていない人が多すぎるのが現状です。もしも、円の価値が今後も下がり続けたら?

たとえNISAで増えた資産も、通貨価値の下落で実質的な購買力が目減りすることは避けられません。

これは、日本円だけの話ではありません。米ドルで資産を持つこと自体も、過去30年間でその購買力が40%以上下落している現実を考えれば、通貨の価値を守ることの重要性は明らかです。

◢ 「増やす」だけではなく「守る」視点を持つことが鍵

投資をする際に、ほとんどの人は「どれだけ増やせるか」に注目します。NISAはこの視点にマッチしており、「節税しながら資産を増やす」という一見理想的な仕組みです。

しかし、世界のエリート投資家や富裕層は、「資産を増やす」だけでなく「資産を守る」ことにもフォーカスしています。

ウォーレン・バフェット氏はこう言っています。

ルール1:お金を失うな。
ルール2:ルール1を忘れるな。

これは単に「投資で損をしない」という意味ではなく、通貨の価値が下がるリスクを軽視するなということでもあります。

たとえば、

事例1:2022年の円安進行により、1ドル=115円から一時150円超え。これは円建て資産の価値が実質的に20%以上減少したことを意味する。

事例2:米国のインフレ率は2022年に9.1%に達し、法定通貨の購買力が激しく低下。

事例3:日本でも2023年の物価上昇率が3.2%(総務省データ)となり、預金の価値は静かに目減りしている。

このように、通貨の価値が下がるリスクを考えずに「増やす」ことだけを考えるのは、非常に危険な投資スタンスです。

出典:R-TRUST investors Inc. 調べ Tradingview

◢ SNSで広がる「鬼式投資」の危険性

最近、SNSでは「S&P500に全力投資!」「オルカン一本でOK!」という声が多く聞かれます。確かに、過去のデータを見れば、S&P500は年平均7~10%のリターンを誇ります。しかし、これが「未来永劫続く」保証はどこにもありません。

実際に過去を振り返ると、

①日本のバブル経済(1980年代)
当時、日本株は「最強の投資」と信じられていた。しかし、1990年のバブル崩壊後、日経平均は約40年間低迷。


②ドットコムバブル(2000年)
IT銘柄は「未来の中心」とされ、多くの投資家が全力投資したが、最終的にNASDAQは半値以下に暴落。


③リーマン・ショック(2008年)
「米国市場は強い」と信じていた投資家が次々と退場。

つまり、今「S&P500一本!」と信じている投資家たちも、将来の市場の変化に対して無防備なのです。

◢ 「NISA × GOLD」こそ最強の組み合わせ──ポートフォリオ戦略を徹底解説

それでは、どうすれば「増やす」と「守る」のバランスを取ることができるのでしょうか?

答えは「NISAで投資をしながら、金(GOLD)をポートフォリオに組み込むこと」です。

具体的なポートフォリオの例を挙げると、

・ NISA 60%(株式・投資信託)
・ 金 30%(地金型金貨)
・ 現金 5%(流動性確保 / 生活防衛資金)

このように資産の一部を金に配分することで、

✔ 市場暴落時のリスクヘッジ
✔ インフレによる購買力の低下を防ぐ
✔ 円安・通貨安のリスクを分散
✔ 長期的な資産価値を保つ

といったメリットを享受できます。

実際に、リーマン・ショック時やコロナショック時には株式市場が暴落する一方で、金価格は上昇し、投資家の資産防衛に大きく貢献しました。

NISAだけでは不十分。真に資産を守り、増やしたいなら、「NISA × GOLD」という視点を持つことをお勧めします。

◢ 結論──資産防衛の視点を持たない投資家は生き残れない

NISAは、確かに魅力的な制度です。しかし、それを「最適な投資戦略」と勘違いして、法定通貨リスクや資産防衛の視点を持たずに突き進むのは危険です。

NISAでの投資と金の組み合わせこそが、長期的に資産を守る最適解。

今こそ、「増やす」だけではなく「守る」視点を持ち、ポートフォリオを再構築しましょう。